パディントンの本やテレビシリーズは何年も前から存在していますが、多くの人はぬいぐるみという形で初めてパディントンを知ったことでしょう。
最初のパディントンベアのぬいぐるみは、シャーリー・クラークソンという女性によってイギリスでデザインされました。彼女は自分の子供であるジョアンナとジェレミー・クラークソン(彼は後に世界的に有名な自動車ジャーナリストとなる)へのクリスマスプレゼントとして作りました。シャーリーのパディントンが多くの人に喜ばれたことで、彼女はさらにぬいぐるみを作り始め、1972年には彼女の会社であるガブリエル・デザインズ社がイギリスで販売する正式なライセンスを取得しました。
これがパディントンの最初のライセンス製品でした。70年代半ばにパディントンがテレビで放映されると、コールポート社の陶器を皮切りに、パディントンの商品が次々と店頭に並ぶようになりました。その後、パディントングッズはどんどん増えていき、グリーティングカードや壁紙など、さまざまなアイテムにパディントンの姿が描かれるようになりました。
一方、イギリス以外の国でもパディントンの人気が高まり始め、1975年にはアメリカのエデン・トイズ社がパディントンベアを全世界で製造・販売できるライセンスを取得しました。
ガブリエル・デザインズ社もエデン・トイズ社も、さまざまなサイズやスタイルのぬいぐるみを作るようになり、特にエデン・トイズ社はパディントンの衣装を豊富に揃えました。しかし、アジアの工場で大量生産されていたエデン・トイズ社とは違い、ガブリエル・デザインズ社のぬいぐるみはすべて、イギリスのドンカスターにある小さな工場で手作りされていました。そのため、ガブリエル・デザインズ社製のパディントンやルーシーおばさんは、現在ではコレクターズアイテムとしてみなされています。その中でも初期のパディントンで、特に状態が良く、オリジナルの服がすべて揃っているものは、特に価値がある。「The Paddington Collective」というウェブサイトでは、中古のパディントンやその他の商品を専門に販売しています。
1997年にガブリエル・デザインズ社が廃業し、その後すぐ、エデン・トイズ社も廃業しました。パディントンのぬいぐるみのライセンスを受けたメーカーはこの2社だけでした。
現在、パディントンのぬいぐるみは、世界中のさまざまなメーカーからさまざまなバージョンで作られています。おもちゃ屋さんやお土産屋さん、オンラインショップなどで販売されていますが、もちろんロンドンを訪れる人のために、パディントン駅にあるパディントン専門のショップでも全種類が販売されています。